東京五輪はコロナの影響で開催されそうにありませんが、ワイン界のオリンピック的な品評会が存在することはご存知でしょうか?
その名も「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」です。
時計のブランド名「IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)」なら聞いたことがあるという方もいるかもしれませんが、全く関係ありません笑
今回はワインの方のIWCについて、その成り立ちから学んでいこうと思います。
IWCとは?
IWCとは、毎年4月にイギリスの首都ロンドンで開催される、世界最大級のワインコンペのことです。
世界各地にワインコンペは存在しますが、その中でも最大級のワインコンペがIWCです。
しかし、ワインと言えばフランスのイメージがありますが、なぜイギリスで最大級のワインコンペが行われるのでしょうか?
IWCの成り立ち
私たちのイメージ通り、ワインの格付けは古くからフランスで行われて来ました。
1930年中頃に、フランスの格付けの法整備は進みワイン法が確立するのですが、ワインの産地が世界中に拡がるとフランスのワイン法に収まらなくなりました。
ワインを格付けする法律!? ワイン法って何? そして各地で伝統国ワインと新興国ワインの格付けを行うイベントが発生し始めたのです。
歴史的な試飲会「パリスの審判」
そんな中、1976年5月24日にパリで歴史的な試飲会が行われました。
フランスワインとアメリカワインを対決させた試飲会で、なんと当時「安物」と揶揄されていた無名のアメリカワインが赤、白ワイン共に1位を取ってしまったのです。
その結果、アメリカワイン凄い!とはならず、、、フランス側の猛反発が始まりました。
当時の審査員であったオデットカーン(Odette Kahn)が投票用紙を取り返そうとしたり、
集計方法、計算方法に至るまで様々な批判が行われ、しまいには主催者を詐欺呼ばわり始末でした。
そしてこの事件はギリシャ神話「パリスの審判」にあやかって、同じく「パリスの審判 (ワイン)」と名付けられその後10年越し、30年越しに再戦まで行われ、2008年にはコメディ映画化(Bottle Shock)までされました。
コンペには公平中立な立場が必要
この事件があり、各国が納得する中立性と信頼性が重用になりました、
そんな中1986年、「パリスの審判」でも中立だったイギリスのワイン評論家、ロバート・ジョセフ(Robert Joseph)らが始めたのがIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)なのです。
IWCは、イギリスワインが「世界と比べて、どれほど旨いか不味いか」を確認する動機で作られています。
そのため、イギリスワインを世界1位にする必要も無いのです。
そしてイギリスのワイン生産量は主要18ヶ国の中で最下位。
(フランス生産数と比べ約6500分の1、日本の生産数と比べ79分の1)
つまり、国内の生産者に配慮する必要も無い訳です。
さらに英語圏全般に影響を持つ飲食関連出版社が集まっていたこともあり、IWC、その他ロンドン内の大会への出品が相次ぎました。
中立性、信頼度、さらには商機もあったということが、イギリスでIWCが開催される理由なのです。
ちなみにイギリスは生産こそあまり盛んでは無いですが、輸入量はなんと世界第2位です。
ある意味ワイン大国と言えますね!
- IGPワインコンクール
- インターナショナルワインチャレンジ
- ヴィナリスインターナショナル
- ヴィニタリー5ツ星ワイン
- ヴィニタリー国際ワインコンクール
- ヴィニュロンアンデパンダンコンクール
- オランジュワインコンクール
- ガンベロ・ロッソオスカー賞
- コープワインコンクール
- 国際スパークリングワインコンクール
- コルマールワインコンクール
- サクラワインアワード
- サンフランシスコ国際ワインコンクール
- シャルドネ・デュ・モンド
- ジルベール&ガイヤール
- チャレンジインターナショナル・デュ・ヴァン
- パリ農産物コンクール
- フェミナリーゼコンクール
- ブリュッセル国際ワインコンクール
- ブルゴンディアドールコンクール
- ベルリンワイントロフィー
- ポルトガルワイントロフィー
- ボルドーコンクール
- マコンワインコンクール
- ムンドゥスヴィーニ
- ラングドックルーションワインコンクール
- リヨン国際ワインコンクール
- ワインスペクテイター
- パーカーポイント
- ワインエンスージアスト
- デキャンター・ワールドワイン・アワード
- 日本ワインコンクール(旧国産ワインコンクール)
- 日本で飲もう最高のワイン
南フランスのニーム市で毎年開催されるIGP(地酒)ワインの公式コンクールです。
生産者や醸造家、ソムリエ等が審査員となり700アイテム以上のワインを評価します。
イギリスの首都ロンドンで毎年開催されるワインの国際コンクールです。
プロのテイスター(マスターオブワインや優秀ソムリエ等)が審査を行い、1次~2次審査を経て金賞が与えられます。
1994年より開催されている国際ワインコンクールです。3千種類ものアイテムが出品され、世界から募ったプロの醸造家が審査を行います。
より厳格な品質の鑑定が行われ、金賞を受賞するのは僅か2%以下です。
イタリアで毎年開催されるイタリアワインを主力とした最大の展示会です。
展示会の開催前にプロのテイスターによる品評会が行われ、特に優秀なワインと評価されたものが、5ツ星のワインガイドに掲載されます。
イタリアで毎年開催される最大のワインの展示会です。開催前に醸造家やジャーナリスト等の専門家が世界のワインを審査、開催時に結果を発表します。
3千以上の出品数で賞状の付与は僅か2%のみです。
フランス国内で自社畑でぶどうを栽培し収穫から醸造、ボトル詰めして出荷するまで全て自ら管理する生産者のワインを対象に行われるコンクールです。
出品数は6千以上で2千人以上の専門家が審査します。金賞は10%以下です。
1952年に創設されたフランス、ローヌ地方のワインを対象としたコンクールです。
毎年約3千アイテムの出品数で、ローヌワインの醸造家やソムリエ等のプロが審査を行います。
出品数に対して金賞は10%以下です。
イタリアで最も権威あるガイド誌【ガンベロ・ロッソ】が発行するベーレベーネ・ロー・コストです。
プロのテイスターが審査し、価格が13ユーロ以下のコストパフォーマンスに優れたワインにオスカー賞が与えられます。
南フランスのワイン生産者組合が開催している品評会です。
30年以上の歴史を誇り、生産者、醸造家、ネゴシアンやジャーナリストを審査員に迎えブラインドにて評価を行います。
500種類以上の出品で金賞は約16%ほどです。
2003年に開始された世界のスパークリングワインを対象とした品評会です。
シャンパンを含む600アイテム以上の出品があり、世界各国からワインに精通したプロのテースターが審査を行います。
金賞受賞比率は約5%です。
フランス、アルザス地方のコルマール市で毎年開催されるアルザスワインを対象としたワインコンクールです。
出品数は、約千アイテムでアルザスワインを専門とするプロの審査員が評価します。金賞は出品数の約18%です。
2014年から日本(東京)で開始されたプロの女性のみで審査をするワインコンクールです。
世界各国から4千以上のアイテムが出品されソムリエやジャーナリスト等がブラインドにて点数評価を行います。金賞比率は約25%です。
1980年より開始されたアメリカのサンフランシスコで毎年開催される国際ワインコンクールです。
4千アイテム以上の出品ワインを専門家が審査を行います。カテゴリー毎のトップ評価も記載されます。金賞の比率は約15%です。
2003年より開催ているシャルドネ種のワインのみの品評会です。
世界中から600以上のシャルドネ種のワインが出品されます。
審査員はフランスのみならず世界各国からワインの専門家が参加します。金賞は僅か5%ほどです。
1989年にフランスのパリで創刊されたワイン専門のガイド誌です。
毎年数回ソムリエを含むプロのテイスターが出品アイテムを試飲し採点を行います。評価点が80点以上を獲得したものに金賞が与えられます。
フランスで組織されたワインの研究機関である“インターナショナル ヴュー オブ ワイン”により毎年開催されるワイン品評会です。
プロのテイスターによる品質を重視したもので、金賞は生産者の名誉といえます。
フランスのパリで毎年開催される農産物を対象とした最大のコンクールです。
カテゴリー毎にプロの審査員が配置され審査を行います。
ワインの出品数は1万アイテム以上で、金賞が与えられるのは全体の8%のみです。
フランスのパリで2007年から毎年開催されている女性審査員のみのワインの品評会です。
ワインの業界から選ばれたプロの女性(ソムリエ、醸造家、業界関係者等)で4千種以上のワインを採点、金賞の付与は5%以下です。
1995年にベルギーの首都ブリュッセルで創設された国際ワインコンクールです。
世界50カ国より9千アイテム以上が出品され醸造家やソムリエ、ジャーナリスト等で審査を行います。金賞は約5%、特別金賞は約1%です。
1996年からフランス政府とEUの審査機関から公認されたブルゴーニュのワインを対象としたコンクールです。
審査員は、有名シェフやソムリエ、醸造家等で、出品数は800アイテム程です。金賞はその内15%ほどです。
ドイツの首都ベルリンで毎年開催される国際ワイン品評会です。
世界各国から3千アイテム以上のワインをソムリエやネゴシアン、ワイン醸造家等が採点し、その合計点でメダルが付与されます。
ポルトガルのポルトで2014年に開始された国内最大の国際ワインコンクールです。
世界中からプロのテイスターが集まり1,800以上のアイテムを審査を行います。得点の高いものに金賞が与えられます。金賞比率は約10%です。
1956年にボルドー地方の農業商工会議所が創設して始まったボルドーワイン専門の品評会です。
審査員はボルドーワインの生産者、醸造家等の経験豊かなプロが行ないます。
4千以上の出品数で金賞を獲得出来るのは約10%です。
フランスのブルゴーニュ地方、マコン地区で開催されるワインコンクールです。
ギネスにも登録されている最大級のコンクールです。
9千アイテム以上のフランスワインが出品されワイン専門家が審査します。
金賞は僅か約8%です。
ドイツのノイシュタッドで開催される国際ワイン品評会です。40カ国以上の国から5千アイテム以上の出品されます。
ソムリエ、コンサルタント、ジャーナリスト等が試飲し採点、90点以上のアイテムに金賞が与えられます。
1984年に南フランスのナルボンヌ市でワイン学者によって創設されたラングドック産のワインを対象としたコンクールです。
千アイテム以上の出品アイテムをプロの審査員が評価し、金賞は出品数の約4%ほどです。
フランスの美食の都市、リヨン市で毎年開催されている国際ワインコンクールです。
6千種類以上のワインが世界から出品されます。
醸造家、ソムリエ、生産者等のプロが審査を行います。金賞は約13%です。
世界で最も購読されている米国のワイン専門誌です。
雑誌の企画で世界のワインをプロのテイスターによる評価を行っています。
高評価のものに100点満点で点数を与え、トップ100やベストバリュー等で掲載される。
ワイン評論家 ロバート M. パーカー, Jr.氏が自ら創刊した「ワインアドヴォケイト」誌にて評価する、
100点満点で表すワインの評価法です。
アメリカのワイン雑誌「ワインエンスージアスト」による、100点満点で表すワインの評価法です。
また、毎年その年のベストバイトップ100を発表します。
イギリスのワイン雑誌「デキャンター」による国際ワインコンクールです。
金賞(ゴールド)・銀賞(シルバー)・銅賞(ブロンズ)を決定します。
金賞の中から地域ごとのリージョナル・トロフィー、
さらにその中でも優れたワインにはインターナショナル・トロフィーが授与されます。
国産原料ぶどうを使用した日本ワインの品質と認知度の向上を図るとともに、各産地のイメージと日本ワインの個性や地位を高めるために開催されるコンクールです。金賞、銀賞、銅賞、奨励賞が授与されます。
2015年4月に「日本ワインコンクール」に名称変更されました。
国産・輸入の区別なく、日本国内で飲めるワインの中から最も美味しいワインを 探すことを目的に、
ワイン専門家だけでなく、一般ワイン愛好家も審査員に加えた、さまざまな視点が反映されるワイン品評会です。
まとめ
いかがでしたか?
世界最大級のワインコンペがイギリスで行われている理由から、各国で行われているワインコンクールまで学べたと思います。
2020年のIWCでは、
盛田甲州ワイナリー「グラン・シャンモリ 甲州シュール・リー2018」の金賞を受賞しました。
グラン・シャンモリ 甲州シュール・リー2018」は山梨・勝沼の盛田甲州ワイナリーが造る甲州市産甲州種100%の白ワイン。シュール・リー製法で約6ヶ月間タンク内で熟成し、和柑橘の繊細な香りの中に、ニッキやメントール、白胡椒、そして酵母由来のイースティーな香りが特徴です。
なお、甲州ワインがIWC金賞を受賞するのは初のことで、さらに盛田甲州ワイナリーはIWC2020で他8アイテムもメダルを受賞しています。
日本のワインが世界に認められることは、醸造家ではない私たちにも非常に喜ばしいことですよね!
この調子で日本ワイン、山梨ワインの代表である甲州ワインが世界でも人気のワインになって欲しいですね。
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非常に参考になると思います♪
ぜひ、みなさんの山梨へ観光する際のお供に!!
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情報は、記事執筆時点のものとなります。詳しくは、各ワイナリーサイトの情報をご確認下さい。
各ワイナリーへのお問い合わせは、各ワイナリーサイト記載された方法でお問い合わせ願います。