11月3日は山梨ヌーボーでした。山梨県が独自に定めたイベントですが、毎年多くの人が楽しみにしているワインイベントの1つです。そして、もう1つ楽しみにしている発表があります。それは山梨県ワイン酒造組合が毎年公表している【ミレジム】です。このミレジムを5段階で評価しています。
今年は新型コロナウイルス感染症が発生し世界を大混乱に巻き込みましたが、さて2020年のミレジムはどんな評価になったのでしょうか。過去のミレジム評価と一緒に見ていきましょう。そして最後には、編集部が気になっている新酒を紹介したいと思います。
Contents
ミレジムとは!?
ミレジムとは【葡萄を収穫した年】のことです。私たちが最も聞いたことのある身近な言葉で置き換えると【ヴィンテージ】と同義になります。これを聞いて逆に頭の中に【?】が浮かぶ人も多いかもしれません。では、ミレジムとヴィンテージの違いとはなんでしょうか。
それは言語の違いになります。
ミレジムはフランス語である一方、ヴィンテージは英語です。そしてイタリア語ではヴェンデミーアと言ったりします。特にワインは地域によって、同じものを別に表現していることがありますので、そこは注意が必要です。
最も有名な例として【シラー】と【シラーズ】が挙げられます。これは両方とも同じ葡萄品種ですが、前者はフランスなどで、後者はオーストラリアを中心に呼ばれている名称になります。
シラー
「生産地の特色を強く反映する葡萄品種」
■特徴■
シラーは、カベルネ・ソーヴィニヨンと同様にパワフルで長熟なワインを生み出す葡萄品種です。葡萄は小粒で、果皮は厚いため、造られるワインは色調が濃くミディアムボディからフルボディ周辺のワインに仕上がることが多いです。豊富なタンニンも備わっているゆえ、長熟なワインが生産されることが多いです。葡萄自身に個性があるだけではなく、産地によって風味が一変するのもシラーの特徴です。
- フランス×シラー
フランスで造られるシラーワインは、ヴィンテージの若いうちから強烈な凝縮感を感じます。そして時間が経つにつれて気品のある果実味が現れ、滑らかな口当たりで余韻も長く続くように変化してきます。 - オーストラリア×シラーズ
オーストラリアでシラーは、シラーズと呼ばれることが多いです。前述で紹介した、フランスのシラーワインと決定的に異なる点は、ヴィンテージが若いうちから感じれるソフトなタンニンとチョコレートやコーヒーのようなニュアンスにあります。
速報!!2020ミレジム評価決定
では早速気になる【2020年】のミレジム評価は………
これだけだと、少し判断がしにくいですね。
知りたい!!1992年から2019年のミレジム評価
それでは、発表されている1992年から2019年までのミレジムと比較していきましょう。
実際に、9月5日に県内の成熟状況を調査したところ
・勝沼エリアは『11.9%~12.5%』
・穂坂エリアは『12.8%~15.4%』
・勝沼エリアは『16.4%』
・穂坂エリアは『15.4%』
でした。このように、両品種とも糖度上昇が厳しかった年になります。
比較をしてみると、2019年より評価が高いことがわかります。コロナ禍でさまざまなことが不安視されていましたが、前年よりも上回る結果をだせたのは素晴らしいことではないでしょうか。そして、評価としては2018年と同じ評価になっている一方、2017年よりは評価が劣っています。ここでぜひオススメしたいのが、異年度比較になります。2017年と2020年を比較すると、プロフェッショナルが見ると全体的に2017年の方が品質高いワインが仕上がっている評価になっています。そして2018年と2020年を比較とすると、ほぼ同品質の評価になっています。2019年と2020年を比較すると、2020年の方が評価が高い結果になっています。これらの3パターンで飲み比べをすると、プロが下したミレジム評価と自分が感じたミジレム評価の相違性を感じられるのではないでしょうか。
また、このミレジムを知っているだけで大切な人と買い物に行ったときに、何年ヴィンテージが美味しい年であるのか一言伝えることもできます。ぜひ、クリスマスに向けて押さえておきましょう!!
編集部が気になる山梨ヌーボー特集
それでは最後に、山梨ワインドットノム編集部が新酒で気になっているワインそしてワイナリーを紹介したいと思います。
甲州 新酒 2020「シャンモリ」
シャンモリ 山梨 甲州 新酒 2020
甲州葡萄
やや辛口
税込1,650円
マスカットベーリーA 新酒 2020「シャンモリ」
シャンモリ 山梨 マスカットベーリーA 新酒 2020
マスカットベーリーA
ライトボディ
税込1,650円
盛田甲州ワイナリー
盛田甲州ワイナリー
山梨県鳥にワイン造りの誇りと情熱と未来を乗せて飛翔するワイナリー
盛田甲州ワイナリーの設立は1973年ですが、1973年設立とは思えない深い歴史があります。
遡ること1881年、盛田甲州ワイナリーはなんと愛知県の葡萄畑でワイン造りをしていたのです。しかし、フィロキセラのせいで葡萄は全く使い物にならず失敗してしまいました。そして、1度潰えた想いが日本のボルドーとも言われる「勝沼」で復活し、今にいたるのです。つまり、100年以上もの間にわたってワイン造りに携わっているワイナリーなのです。背水の陣となるに至っていた盛田甲州ワイナリーのその後の勢いはすさまじいものです。【ワインは農産物】と言い聞かせ、醸造の過程での処理や調整を極力控え、葡萄がもつ本来の味をそのままボトリングするイメージで仕込み、素直な葡萄の風味を持つワインに仕上げています。その結果が、IWC金賞受賞です。

まさに、山梨ワイン、日本ワインを支えているワイナリーの1つなのです。現在は、新型コロナウイルスの影響で工場見学や試飲も制限がかかっている中で楽しむことができます。中でも魅力的なのは、樽エリアとテイスティングでしょう。盛田甲州ワイナリーには、なんと100以上もの樽が使用されています。滅多に見ることのできない荘厳たる空間を目にすることができるでしょう。また、日本を代表する甲州ワインをはじめ、マスカットベーリーA、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネといった幅広い葡萄品種のワインをワイナリースタッフの人と話しながら試飲することができます。ぜひ、足を運んでみてください。





NOVICE
NOVICE 甲州
甲州葡萄
やや辛口
税込1,500円
NOVICE マスカットベーリーA
マスカットベーリーA
ライトボディ
税込1,500円
日川中央葡萄酒
日川中央葡萄酒
世代交代を迎え、初代を超えるワインを目指すワイナリー
昭和49年からワイン造りが始まった日川中央葡萄酒の代名詞となっているワインは【Liaison】シリーズです。
気になる【Liaison】はフランス語で【結ぶ、繋ぐ】を意味しています。
太陽の恵みを感動に結びつけ、消費者の手元に安心安全な良質なワインを繋ぐそんな想いが込められています。
そして昨年から日川中央葡萄酒には新シリーズが誕生しました。その名も【新米】を意味する【NOVICE】です。ではなぜ、NOVICEが誕生したのでしょうか。それは昨年初代から二代目にバトンが渡されたからになります。つまり、世代交代し今後日川中央葡萄酒の看板を背負う二代目が展開するシリーズが【NOVICE】になります。
そんな日川中央葡萄酒は収穫や仕込み、そして洗瓶、瓶詰めにいたるまで、全ての作業を家族総出でおこなっています。さらに、ワインの販売の約8割が消費者への直接販売になります。白ワインが約53%、赤ワインが約42%そしてロゼワインが約5%の割合で製造しています。気になる原料は【甲州】【マスカットベーリーA】【甲斐ノワール】【サンセミヨン】【シャルドネ】【メルロー】などを栽培しています。
日川中央葡萄酒に訪問したときに絶対に訪れてほしいのが【地下の貯蔵庫】になります。この場所には、なんと日川中央葡萄酒が操業してからのワインが大切に保管されているのです。もちろん、私たちは見ることはできても飲むことができません。しかし、初代は味のチェックや研究のために毎年試飲をしているとのことです。ワイン好きには堪らない素敵な空間があります。ぜひ、声をかけて見てみてください。

日本の新酒 山梨県産マスカット・ベーリーA 2020
日本の新酒 山梨県産マスカット・ベーリーA 2020
マスカット・ベーリーA
ミディアムボディ
棚式栽培
日本の新酒 山梨県産甲州 2020
日本の新酒 山梨県産甲州 2020
甲州葡萄
辛口
棚式栽培
日本の新酒 山梨県産マスカット・ベーリーA ロゼ 2020
日本の新酒 山梨県産マスカット・ベーリーA ロゼ 2020
マスカット・ベーリーA
辛口
棚式栽培
シャトーメルシャン
シャトーメルシャン
日本が世界に誇る絶対的エースワイナリー
シャトーメルシャンは、日本が誇る、代表的なワインメーカーです。そして、日本のワイン文化の礎を作ったワイナリーの1つです。
では、日本で屈指のワイナリー、メルシャンはどんなワイン造りをしているのでしょうか。
シャトーメルシャンのブランドコンセプトは、シンプルであり基本に忠実なものでした。
『Growing Differences in the world』
「いいワインとは、その土地の気候、風土、生産者によって育てられる葡萄をそのまま表現したもの」
この信念を軸に、世界と切磋琢磨しているワイナリーです。
そして実行してきたことが正しかったと物語っているのは、「歴史」そして「実績」ではないでしょうか。
そんなメルシャンの歴史は、約140年前の1870年代にまでさかのぼります。
明治時代終わりに、シャトーメルシャンの源流となる『大日本山梨葡萄酒会社』が創業されました。
つまり、シャトーメルシャンは日本ワインの原点なのです。そしてやはり、創業の段階からシャトーメルシャンではありませんでした。
名前だけを見ると、外国企業のように感じられてしまいますからね。笑
そして、創業から約70年後に「メルシャンブランド」が誕生します。着実なる努力の結果、ついに大きな一歩が動き出したのが1966年。
国際ワインコンクールで、日本初の金賞を受賞したのです。この瞬間、明治政府がフランスにワイン造りを勉強させた種が実った瞬間でした。
同時に、日本のワイン文化が世界に広まる第一歩、スタートラインに立ったとも言える瞬間でした。
そのスタートラインにいち早くたったのが、メルシャンだったのです。
そして1970年に、今日で最も広く知られているであろう「シャトーメルシャンシリーズ」が誕生しました。
月日を重ね、様々なトライを重ね今に至ります。今では、山梨県だけでなく秋田県、福島県、長野県にも畑を構え何十種類もの品種を栽培しています。
まさに日本のワイン技術の最先端を行くワイナリー、それがシャトーメルシャンです。
「アイコン」シリーズ
世界トップクラスの産地から生まれる、各ワイナリーの最高峰ワインシリーズです。
「テロワール」シリーズ
【適品種・適所】のコンセプトのもと、山梨県、長野県、秋田県、福島県の4つの県から、葡萄品種にふさわしい産地・区画を選びました。
その個性を最大限に引き出したテロワールシリーズです。
「クオリティ」シリーズ
【日常に「日本ワイン」のおいしさをお届けしたい。】
その想いを実現させるために、醸造家が感性を研ぎ澄ませて醸造しました。新しい日本ワインのスタンダードとなるワインシリーズです。



編集部総括
今回編集部が注目したワイナリーが【盛田甲州ワイナリー】【日川中央葡萄酒】【シャトーメルシャン】になります。
盛田甲州ワイナリーは、シャンモリ山梨甲州シリーズが毎年と言っても過言ではないほど、世界的なコンクールで賞を受賞しています。そのため必然的にも、2020ヴィンテージの出来はどんなものなのか、非常に気になっています。
そして日川中央葡萄酒は、3ワイナリーの中でも最も注目をしているワイナリーです。なぜなら、2019年にワイナリーを訪問したときに初代が造るワイン【Liaison】と二代目が造る【NOVICE】のテイスティングをしました。そのときは、初代がガイドをしてくれたのですが、NOVICEの出来にまだまだ物足りない様子を見せていました。そして編集長もNOVICEよりもLiaisonの方が美味しい、と言っていました。そのため、2020ヴィンテージはどんな出来なのか、そして初代が認める仕上がりになっているのか、非常に気になっています。
そして、山梨県のワイナリーを語る上では外すことのできないのがシャトーメルシャンでしょう。山梨県だけではなく、日本のワイン業界を引っ張っているシャトーメルシャンが造る新酒は、2020ヴィンテージワインを評価する上での大きな指針にもなると思っています。
2019ヴィンテージと一緒に購入して、おうち時間の充実を図るのはいかがでしょうか。
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非常に参考になると思います♪
ぜひ、みなさんの山梨へ観光する際のお供に!!
情報は、記事執筆時点のものとなります。詳しくは、各ワイナリーサイトの情報をご確認下さい。各ワイナリーへのお問い合わせは、各ワイナリーサイト記載された方法でお問い合わせ願います。