さて突然ではありますが、【日本遺産】というものを知っていますか?
【世界遺産】に登録をされている中で【日本】にあるものを【日本遺産】と呼ぶ、と思っている人も多いのではないでしょうか。しかし日本遺産は世界遺産とはまた異なるものなのです。
そしてつい先日、山梨ワインドットノムに嬉しいニュースが飛び込んできました。
なんと【山梨県甲州市】と【茨城県牛久市】が申請をしていた【日本ワイン140年史】が日本遺産に登録されました。
今回はその内容をより詳しく説明していきたいと思います。
Contents
【日本遺産】とは!?
【日本遺産】とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて【日本】の文化・伝統を語るストーリーとして文化庁が認定するものです。そして、地域に点在する遺産を【面】として活用し発信することで、地域活性化を図ることを目的としています。
その一方【世界遺産】や【指定文化財】は登録・指定される文化財の価値付けを行い【保護】を担保することを目的とするものです。
【遺産】という言葉が共通で使用されているので、なにかしらの【関係性】があると思いましたが、あまりないのですね。両遺産ともに【認定】が必要になることは共通ですが、【認定する機関】が違います。【日本遺産】は【文化庁】であるのに対し、【世界遺産】は【ユネスコ】が審議・決議します。そして【世界遺産】は【文化遺産】【自然遺産】【複合遺産】の3つに分かれています。そのため、文化遺産は【ICOMOS】が、自然遺産は【IUCN】が現地に足を運び、調査をおこない報告をおこないます。
やはり【世界規模】ということもあり、【ハードル】が高く感じますね。(※日本遺産のハードルが低いということではありません。)
そして最も異なる点は、前述している通りの【機関の目的】でしょう。
【日本遺産】は、【歴史】を重視した【活用性】を目的としているため、山梨ワインでいう【GI Yamanashi】に似ていると思います。
つまり、認定されることによって、【認知度】の向上はもちろんのこと【ブランド力】も高まります。さらに、多くの人が足を運び【地域貢献】になる力を持っていると思います。その一方、【世界遺産】は、【保存性】を目的としています。【地域貢献】などは含まれず、主に【点】として保存することに重きを置いています。
1965年に設立された非政府国際機関で、ユネスコ世界遺産センターから推薦された文化遺産に対し、調査をおこない専門的評価を報告しています。
1948年に各国政府、国際団体、民間自然保護団体が参加して設立された、自然環境保全に関する国際的な連合体です。ユネスコ世界遺産センターから推薦された自然遺産に対し、調査をおこない専門的評価を報告しています。
文化遺産として1993年に登録されました。
文化遺産として1993年に登録されました。
自然遺産として1993年に登録されました。
自然遺産として1993年に登録されました。
文化遺産として1994年に登録されました。
文化遺産として1995年に登録されました。
文化遺産として1996年に登録されました。
文化遺産として1996年に登録されました。
文化遺産として1998年に登録されました。
文化遺産として1999年に登録されました。
文化遺産として2000年に登録されました。
文化遺産として2004年に登録されました。
自然遺産として2005年に登録されました。
文化遺産として2007年に登録されました。
文化遺産として2011年に登録されました。
自然遺産として2011年に登録されました。
文化遺産として2013年に登録されました。
文化遺産として2014年に登録されました。
文化遺産として2015年に登録されました。
文化遺産として2016年に登録されました。
文化遺産として2017年に登録されました。
ついに【ワイン】が遺産認定!?
そしてつい先日、あるニュースが報道されました。2020年6月19日に、文化庁に【日本ワイン140年史】が認定されたのです。
この【日本ワイン140年史】は、山梨県甲州市と茨城県牛久市が共同申請したものです。実は今回3度目の挑戦で認定をされたのです。
そこで今回は【日本ワイン140年史】とはなにか、紹介したいと思います。
【日本ワイン140年史】とは!?
今回認定された【日本ワイン140年史】とは、字のごとく【日本ワイン】の140年間に渡る歴史のことです。
長きに渡る歴史の中で、【日本ワイン】の成長に大きく寄与したと言われているのが申請をした【山梨県甲州市】と【茨城県牛久市】なのです。
【山梨県甲州市】は地元の葡萄農家と共存繁栄しながら、葡萄畑と新旧30以上ものワイナリーが誕生しました。
そして【茨城県牛久市】は、葡萄栽培からワイン醸造までの一貫した工程を構築し、大規模な醸造体制の実現性を証明してくれました。
これが意味することは、明治の文明開化期、国営では果たすことのできなかったワイン醸造をそれぞれの地域の特性を生かし、民間の力で成し遂げたということです。つまり、日本ワイン文化の発展に大きく貢献したストーリーが評価されて認定に至ったわけです。
さてここで最も気になるのは【140年】と言う数字のスタートラインがいつなのか、ではないでしょうか。
これは【1877年】になります。
一体、【1877年】になにが起こったのでしょうか。
【1877年】が意味する【日本ワイン】の原点
1877年は、日本で最初に誕生した民間ワイン会社【大日本山梨葡萄酒会社】が創業した年なのです。【大日本】と目にすると、【大日本帝国憲法】を思い出す人も多いのではないでしょうか。まさに時代を象徴するワードが社名にも採用されていますね。その会社でワイン造りを進めたのが【高野正誠】と【土屋龍憲】です。
彼らは日本政府公認でフランスにワイン造りを学びに行きました。そして学んできた葡萄栽培と醸造技術を生かして、日本のワイン造りの歴史が始まったのです。そして、その2人に合流したとされているのが【宮崎光太郎】です。
高野正誠と土屋龍憲が主に醸造分野を、宮崎光太郎が販売分野を担当していました。
一見、順調に進んでいるように見えたのですが、ワイン造りの技術不足、そして日本人のワイン観があまりにも一致せず、1886年に解散をしてしまいます。
しかし解散後、土屋竜憲と宮崎光太郎は民間組織として【甲斐産葡萄酒醸造所】を設立します。つまり、ここでワイン造りが国営から民営に変わったのです。そしてこのワイナリーがのちに本格ワインとなる【大黒天印甲斐葡萄酒】を造りだします。

さらに土屋竜憲は、1891年にワイン醸造所【まるき葡萄酒】を、宮崎光太郎は自宅にワインの醸造所を設立するのです。山梨県がワイン造りを少しずつ発展させている一方で、山梨県以外でも民間でワイン造りが進んでいました。それが1903年に開設された【牛久醸造場】だったのです。
- 今日までの礎を築いてくれた多くの方々の尽力がようやく認められた、感覚がしますね。
この認定をキッカケに上昇気流を作っていければいいな、と思います。
2020年に突入してから、新型コロナウイルスの影響で、山梨県にあるすべてのワイナリーの勢い、客足などが減ったと思います。
コロナウイルスが、今では落ち着いているインフルエンザのように、期間的なものであれば、まだまだ気の持ちようがありましたが、ワクチンをはじめ未だに明るい兆しが見えていない状況です。そのため、2020年をキッカケにオンラインが流行りだし【ワイナリー】への訪問機会が減少してしまうのではないかと、心配していました。
少し先の話になってしまいますが、【日本遺産認定】をきっかけに、コロナの収束目安がわかれば、今まで以上の繁栄を期待できるのではないでしょうか。
オンラインツアーなどの利用は、遠距離の人との平等性などを考慮しても非常に理にかなっていると思います。
ただ、【ワイン】は【造られた環境】【造り手】【テイスティング】などさまざまな点が重なり合って楽しめるものだと山梨ワインドットノム編集部は思います。
また今回認定された【日本ワイン140史】もオンラインだけでは伝わりません。そのため、ぜひ実際に足を運んで【体験】をしてほしいと思います。
ワイン初心者を大歓迎する都道府県【山梨県】があなたを待っています!!
山梨県の認定【日本遺産】
今回の【日本ワイン140年史】の認定によって山梨県では、【日本遺産】に認定されている件数が【4】になりました。
最後に認定されたタイトルおよびそのストーリーを紹介したいと思います。
【葡萄畑が織りなす風景〜山梨県峡東地域〜】
山梨県甲州市、笛吹市、山梨市が共同申請し、2018年に認定されたのが【葡萄畑が織りなす風景〜山梨県峡東地域〜】です。
【星降る中部高地の縄文世界〜数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅〜】
長野県茅野市、富士見町、原村、諏訪市、岡谷市、下諏訪町、長和町、川上村そして、山梨県甲府市、北杜市、韮崎市、南アルプス市、笛吹市、甲州市が共同申請し、2018年に認定されたのが【星降る中部高地の縄文世界〜数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅〜】です。
【甲州の匠の源流・御嶽昇仙峡~水晶の鼓動が導いた信仰と技、そして先進技術へ~】
そして、【日本ワイン140年史】と同時に認定されたのが山梨県甲州市と甲斐市が共同申請した【甲州の匠の源流・御嶽昇仙峡~水晶の鼓動が導いた信仰と技、そして先進技術へ~】です。
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非常に参考になると思います♪
ぜひ、みなさんの山梨へ観光する際のお供に!!
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情報は、記事執筆時点のものとなります。詳しくは、各ワイナリーサイトの情報をご確認下さい。
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