山梨県にあるワイナリーの数が日本一であることを知っている人は多いのではないでしょうか。
ただ、その内訳を知っている人はあまり多くないのではないでしょうか。
一般的に、山梨県をエリアでわけると『勝沼エリア』『甲府エリア』『塩山エリア』『笛吹エリア』『山梨エリア』『甲斐エリア』などにわかれます。
勝沼エリアはダントツでワイナリーの数が多いですが、どのエリアにも受賞歴のある実力ワイナリーは存在します。
そこで今回紹介するのは、『塩山エリア』になります。塩山エリアには、約10個ほどワイナリーがあります。
それらのワイナリーが一つの場所に集まる、『塩ノ山ワインフェス』。
休日を使って巡ると、数日以上かかりますが『塩ノ山ワインフェス』に参加すれば1日で、塩山エリアのワイナリーのワインがわかります。
実はワイナリーに行ってみたかったけど機会がなかった…ワイン興味はあるけど、まだわからない…
そんな人にはオススメのイベントになります。ぜひ、友人・彼氏彼女・夫婦で参加してみてはいかがでしょうか。
Contents
「塩ノ山ワインフェス」とは!?
「塩ノ山ワインフェス」とは、甲州市塩山のワイナリーと県内の飲食店の出店に加え、DJブースとライブステージに加えたことで実現した、
『音×食×ワイン』を楽しむことができるワインイベントです。
また参加ワイナリーは、塩山地区の個性あふれるワイナリーです。
音楽を聴き、美味しいものを食べ、美味しいワインを飲み、贅沢な時間を過ごせること間違いなし!
「塩ノ山ワインフェス」をより詳しく
では、塩ノ山ワインフェスはいつどこでどのように開催されるのでしょうか。
2020年 4月11日
甲州市役所前 防災広場「塩むすび」
10:00~17:00
700人
【前売券】
2,500円
(ワイングラス・ウエルカム券1枚・ワインチケット100円分×11枚)
【当日券】
3,000円
(ワイングラス・ウエルカム券1枚・ワインチケット100円分×11枚)
・場内でワインを購入されない方はチケット不要です。そのままご入場ください。
・ワインのラストオーダー16:30になります。
参加ワイナリー公開
『塩ノ山ワインフェス』は、山梨県甲州市塩山地域のワイナリーがこぞって集まっています。
本来であれば、数日以上の休みがないと塩山エリアのワイナリーを1日で周ることは非常に難しいです。
しかし、『塩ノ山ワインフェス』に参加することで、塩山エリアのほぼすべてのワイナリーのワインを楽しみながら、醸造家の人と話すこともできるかもしれないのです。普段、ワイナリー訪問をしたくてもできない人は、この機会は見逃せません。
ただ残念なことにワイナリーの状況によっては、参加を断念しないとワイナリーもありました。
その1つが『98wines』です。
【ワイン初心者による98wines訪問記】ワインの【本質】を追求し世界を見据える山梨ワイナリーに訪問!!県内のワイナリーも認める実力はいかに! 山梨ワインドットノムもお世話になったことのあるワイナリーですが、なんとイベント前にワインが売り切れてしまったのです。
さすが98winesですね。
奥野田葡萄酒
奥野田葡萄酒とは!?
平成元年。『奥野田葡萄酒』の新しい歴史は動き出した。
たしかに、平成元年の段階で現オーナー体制であったが、『奥野田葡萄酒』の名前は生まれていなかった。
時代が昭和から平成に代わり、約20年後の2012年、ついに『奥野田葡萄酒』の名が誕生。
そして平成が終わり、新元号『令和』が始まった2019年。
平成元年に再始動した『奥野田葡萄酒』も、また一歩新たな時代を築く時代になりました。
新時代になろうが、「ワイン造りは質の高い葡萄から」という初心を忘れず一歩一歩進んでいます。
そんな奥野田葡萄酒は、約1.5ヘクタールの自社農園で、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネ、デラウェアを栽培しています。
珍しいことに、甲州を自社農園では栽培していません。
そして核となる栽培方法は、自然農法にこだわっています。それは複雑な地層を有している圃場だからこそ可能である業でもあるのです。
そんな豊かな圃場は、甲州市内に4つもあります。
桜沢圃場
桜沢圃場は、奥野田ワイナリーの東側の急斜面にあります。
垣根の両面に1日を通して均等に日が当たるよう、畝はすべて真南に向けてあります。
そして、「桜沢圃場」は全体の広さが約30a、そのうちの約13aが垣根栽培になっています。
垣根栽培では、97年、98年植え付けのシャルドネが600株、そして残りの約17aでは棚栽培を行なっています。
棚栽培では、デラウェアを栽培しています。
長門原圃場
長門原圃場は、桜沢圃場から100mほどの場所にあります。
まるでスキー場のような急斜面にある最も新しい平垣根畑です。
この葡萄畑も、畝はすべて真南に向けてあります。
そして、約20aの広さを持つ長門原圃場には、2001年植え付けのシャルドネが1200株植えてあります。
一番最後に作ったこの畑には、今までの畑作りで培ったすべてのノウハウを投入しているとのこと…
そのため、今後が最も楽しみな圃場なのです!!
神田圃場
神田圃場は、勝沼を見下ろす標高450mほどの高台にあります。
広さは最も広く約45aになります。
神田圃場には、メルローが1200株、カベルネ・ソーヴィニヨンが400株植えてあります。
ワイナリーから最も遠い場所にありますが…
広大ですばらしいロケーションのため、訪れる人を感動させてくれる葡萄畑になっています!!
日灼圃場
唯一、平らな土地にあるのが日灼圃場とのこと…
日灼圃場には、広さ15aの畑に、1996年植え付けのカベルネ・ソーヴィニヨンが900株植えてあるのです!
そしてこの圃場も同様に、垣根の両面に1日を通して均等に日が当たるよう、畝はすべて真南に向けてあります。
そして、この葡萄畑は地名のとおり、非常に日当たりが良い場所にあるとのこと!!
そのため、高い熟度の葡萄を収穫することができるのです。
また、2008年からは収穫イベントやオーナー制度なども行われている葡萄畑でもあるのです。
4名でワイナリー運営をすること自体、非常に大変にも関わらず、それに止まらず、奥野田葡萄酒は『奥野田ヴィンヤードクラブ』も運営しています。
このクラブのおかげで、ワイン造りの肝になる葡萄栽培を経験したくてもできない人が、自分の葡萄の木を所有し栽培できるようになるのです。
もちろん、会場は奥野田葡萄酒の自社畑のため、安心に加えワイン造りの知識なども深まります。
他にも、山梨県が進める「やまなし企業の農園づくり」や『富士通GP2020ワインファーム』などにも積極的に介入。
奥野田葡萄酒のこの活動は、葡萄畑での作業を通じて、圃場維持の難しさや環境問題を学び考えながら、ワインに触れてもらう機会の提供につながります。
間違いなく、奥野田葡萄酒の魅力の1つは、ワイン愛好家だけではなく、ワイン初心者にも『広く門戸を開いている』ところだろう。
それに加え、ワインの質は日本を代表するレベルと言っても間違いないだろう。
ワイナリー2階にある、ログハウスから見れる絶景もオススメなので、ぜひとも早めの時間帯に予約をして訪問してみください。
甲斐ワイナリー
甲斐ワイナリーとは!?
甲斐ワイナリーの歴史は、1834年にスタート。
当時の甲斐ワイナリーは清酒造りをメインとしておりワイン造りは兼業でした。しかし今では、甲斐ワイナリーはワイン専業。
以前清酒を醸造していた場所は、ワインの醸造施設などとして現役で貢献しているのです。
そんな甲斐ワイナリーの最大の魅力は、『有形文化財』に指定されていることでしょう。
ワイン貯蔵庫、併設カフェなどが国が認める有形文化財に登録をされているのです。
日本の歴史を物語っている甲斐ワイナリーで造られたスタンダードシリーズである、「かざま甲州シリーズ」は、代々受け継がれた風間ブランドの象徴を感じさせます。伝統たる香りと味のバランスをグラスに注がれた瞬間に感じるのです。
歴史感じる上品なワインを江戸時代から存在する建造物の中で飲むワインは、また一味違います。
ワインを飲みながら、日本の歴史を感じる休日を過ごすのは、いかがでしょうか。
牛奥第一葡萄酒
牛奥第一葡萄酒とは!?
牛奥ワインを造っている「牛奥第一葡萄酒」。
牛奥第一葡萄酒は、葡萄農家が自分で栽培した葡萄をワイナリーに持ち寄り、自分用としてワインを造っているのです!!
つまり、従来のワイナリーとは、少し異なるシステムで営業をしているワイナリーなのです。
また、山梨県のワイナリーの中で最も小さいとも言われています。
さらに、驚くべきなのは「生産本数」なのです。
農家の方が自分用に作っているため、非常に少ないのです。
先日の取材では、「年間で720mlが約2,000本、一升瓶は約5,000本」とおっしゃっていました。
もちろん、葡萄の収穫量によって増える可能性も減る可能性もあります。
そのため、基本的には市場には出回っていません。
そんな希少価値の高い牛奥ワイン!!ぜひ手に入れて飲んでみてください♪
駒園ヴィンヤード
駒園ヴィンヤードとは!?
駒園ヴィンヤードの歴史は、1953年に遡ります。
しかし、当時の名前は「五味葡萄酒」と別名での創業でした。
当時の理念は、その土地、そのヴィンテージの葡萄の個性を最大限に活かすこと。
そのため、自社畑を中心に山梨県産の葡萄を100%使用してワインを造っていました。
家族経営ワイナリーだったせいか、生産量が少なくなかなか入手しにくいワインであることは間違いありません。
ただ、それが非常に残念で残念でなりません。。。
各種ワインコンクールの受賞はもちろんですが、試飲をしてみてどのワインも醸造家の個性が存分に現れていて、
『面白く本当に美味しいワイン』ばかりだったのです。
また、試飲は1本1本のグラスを用意してくれました。
些細でありワイナリーによっては当たり前と思われるかもしれませんが、素敵な対応だと思いました。
駒園ヴィンヤードでの試飲は、本当に有意義な時間でした♪
隣にいたドライバーの編集長まで素面で話を楽しめる魅力もあります。
土日祝日は営業をしていません。必ず、事前に連絡をした上で、駒園ヴィンヤードに足を運んでみてください。
機山洋酒
機山洋酒とは!?
山梨県を代表する甲府盆地のそばにある、ワイナリーの1つが「機山洋酒」です。
機山洋酒は、自社農園の葡萄を中心に、「東山梨地区」と区画された地域で栽培された葡萄を使ってワインを造っている地域活性ワイナリーでもあります。
そして機山洋酒は、家族だけで造るファミリー経営のワイナリーでもあります。
少人数体制のため、やれることの上限は決まっていますが、自分たちの目で見れているため「品質」が非常に高いです。
だからこそ、私たちは安心して飲むことができるのです。
気になる機山洋酒が扱っている品種は、「甲州」「シャルドネ」「メルロー」「ブラッククイーン」「カベルネ・ソーヴィニヨン」。
山梨県のワイナリーをいくつか訪問をしていれば、耳にしたことのある定番の品種ばかりです。
機山洋酒の最も魅力的であり、衝撃を受けたのは「ワインの質」です。
特に、機山洋酒の造った『キザンセレクション シャルドネ』は編集長のシャルドネおすすめランキングで1位を獲得してから半年以上経っても更新がされていないほどです。現チャンピオンです。
もちろん、これも驚きですがさらに驚きなのは「価格」である。
なんと………チャンピオンが税込2,000円を超えないのです・・・
少人数体制で造られた、品質重視のワインが1,000円台。そして、そのワインが本当に美味しい。
では、なぜこんなにも良心的な価格なのか。
それは、醸造家の理念にありました。
機山洋酒のワイン造りの理念は、「自分たちが飲むために買いたいワイン」。
世界のシャルドネと比較した上で、「この価格でこの品質なら、自分は買う!」、これを常に突き進んでいるのです。
だからこそ、品質も保証されているのです。
こんなにも『プロフェッショナル』な想いを抱いているワイナリーのワインが美味しくないはずがありません。
ぜひとも、手にとってみてください。
震撼するはずです。
塩山洋酒
塩山洋酒とは!?
塩山洋酒は、1957年4月に果実生産者組合を母体に果樹栽培の振興と農産物加工を目的として設立されました。
自園農場をはじめ契約栽培農家で生産された県内産葡萄を100%使用したワイン造りにこだわっているワイナリーです。
そんな塩山洋酒は山梨ワインドットノムも訪問をオススメしたいワイナリーです。
それには大きな理由が3つあります。
現在の工場は、昔からワイン造りとして使っている場所のため、昔のワイン造りの跡を実際に目にすることができます。
まさに、歴史資料館のような感覚を持てます。
どのワイナリーも実際の工場を見たり、ワインを試飲したりすることは事前に予約をすれば叶います。
しかし、塩山洋酒では単に話を聴きながら見学をするだけではなく、コルクを打たせてくれました。(商品に使うボトルにコルクを入れたわけではありません。)
ワイナリーの人がこのようにして1本1本の仕上げをしているのか、と実感することができます
塩山洋酒では、初めての出逢いがありました。それが『ベリーアリカントA』を使ったワインです。
樽を使用していないにも関わらず、樽を使っているように感じる葡萄品種。編集長は一目惚れ。
そんな編集長を見て、何杯も何杯も試飲コップに注いでくれました。その後編集長は………
ぜひ、予約をして行って見てください。
Kisvin Winery
Kisvin Wineryとは!?
kisvinワイナリーは、2013年からワイン醸造を始めた歴史の浅いワイナリーです。
ワイン醸造を始めるまでは、生食用葡萄栽培が中心でした。しかし、2002年頃を目安にワイン用葡萄への植え替えを開始。
その背景には、深い考えがありました。その言葉がこちらです。
「農業は何世代にも渡って受け継いでいけるもの。葡萄は食べることで完結してしまうが、ワインは生き続けることができる。命をつないでいく仕事として自分がやっていて楽しいこと、それがワイン用葡萄栽培でありワイン醸造だった」。
当時は、やはり一大決心となる舵きりだったために、周囲は驚きました。しかし、その周囲の驚きや不安を「葡萄の質の高さ」で打ち消したのです。
栽培したワイン用葡萄を販売していた、シャトー酒折から驚くべきオファーがあったのです。
その結果、シャトー酒折では専用タンクが新たに設置され2008年からkisvin koshuがリリースされることになったのです。
まさに栽培する葡萄の質の高さが認められると同時に、葡萄栽培のスペシャリストとしてその実力が認められた瞬間でした。
「ワインの美味しさ」は、「葡萄」で決まると言われています。
ここまで評価の高い葡萄を作り出す、kisvin wineryのワインは必見ですね。
そんなクオリティの高い、葡萄を作り出すにあたって、どんなことをしているのでしょうか。
実際にシャルドネの畑には、5月ごろから徐々に雨除けの屋根が張ります。また甲州にはひと房づつ手作業で雨除けの笠掛けが行われるなど、想像以上の時間をかけています。
この丁寧な雨除けのおかげで、kisvin wineryの畑の葡萄は雨の次の日でさえ濡れていることはないと言われています。
特にこの雨除けの笠掛けは、甲州葡萄にとってとても重要なポイントなのです。なぜなら甲州葡萄は、熟して果皮が紫色を帯びてくるにしたがって、苦みを増していくからです。
そこでkisvin wineryでは、色を付けないで完熟させる「エメラルド甲州(緑の甲州)」を栽培しています。
通常、日光が当たり房の温度が上がると、葡萄の酸が消費されてしまいます。日光を当てないことで美しい酸を残すことができるので、葡萄はゆっくりと熟していきます。
さらに、kisvin wineryは他のワイナリーに比べ収穫のタイミングが遅いです。
それは、納得のいくまで葡萄の熟度が上がるのを待つからです。もちろん、熟度を待つということは葡萄が病気にかかってしまうリスクもあります。
しかし、完成したワインは想像を絶するほどの旨みや厚みが備わるのです。
その中でも、もっとも最後に収穫されるのが甲州。笠をかけるタイミングも、葡萄のコンディションを見極め、慎重に行われます。
ここまで葡萄への熟度にこだわり造られているワイン。飲まずにいられませんね。
kisvin wineryは予約制になっています。
そのため、必ず事前にHPをチェックの上、ワイナリーに行ってみてください。
編集長による、【総評】
さて最後に、今回の参加ワイナリーを見て、編集長に率直な意見を聞いてみたいと思います。
今回出店されるワイナリーの中で、僕の一押しを強いて言うならば、
「奥野田葡萄酒」さんですね!
社長の創業理念が大変素晴らしく、世界に負けない山梨ワインを造っています。
やはりバックボーンを知るとそのワイナリーが造るワインも美味しくなるものです。
もちろんこの他のワイナリーもすべて素晴らしいワイナリーです。
是非、足を運び、そして触れ合ってみてください。
ワインの新しい世界が見えるはずです!
関連情報
編集長からのお願い
編集長
よろしくお願いいたします。_φ( ̄ー ̄ )
素人だからこそ感じる、ワインに対しての率直な感想を始め、ワインの基礎知識、山梨の美味しいお店などの情報を案内しています。
情報は、記事執筆時点のものとなります。詳しくは、各ワイナリーサイトの情報をご確認下さい。
各ワイナリーへのお問い合わせは、各ワイナリーサイト記載された方法でお問い合わせ願います。