今回、我ら山梨ワインドットノムメンバーは【奥野田葡萄酒】へ行ってきました!
どんなワインにめぐりあえるのか、どんなワイナリーなのか、楽しみですね♪
奥野田葡萄酒では、試飲だけではなく、葡萄畑、工場の見学もさせていただけます!!
- 奥野田葡萄酒へ行きたい場合、電話にて予約をするようお願いします。
- 農繁期、仕込み期、イベント開催時等はやむを得ずご案内ができないこともあります。
Contents
Googleマップ不要!?
今回は、カーナビを信じても問題ありません!笑
(言い方が若干ひどいですね笑 編集長のカーナビへの信頼度は0??笑)
奥野田葡萄酒より、非常にわかりやすいマップが…!!
今回は最初に葡萄畑を見学させていただいた後、工場見学そして試飲をしました!
奥野田葡萄酒とは…!?
挨拶を終えた山梨ワインドットノム編集部。
早速、葡萄畑を案内してもらうために移動します♪歩いて1分ほどの距離にも畑があります。
移動中に、奥野田葡萄酒について少し聞いてみました♪
奥野田葡萄酒の歴史
奥野田葡萄酒は、甲州市旧奥野田地区にあります。
このエリアは、甲府盆地東部に位置し日当たりのよい斜面と水はけのよい土壌の有難い環境なのです。
そして、数件の農家が栽培した葡萄を持ち寄って葡萄酒を造る醸造場として、
発足したのが奥野田葡萄酒の歴史の始まりです。
しかし、その後農家の高齢化と後継問題が発生…
醸造所を発展的に引き継いでいく方法を模索していたところ、
当時勝沼の老舗ワイナリーで働いていた現オーナーに話が届き…
現オーナーが26歳のとき、奥野田葡萄酒を取得されたとのこと!!
そして…平成元年。
高い理想と情熱の元、奥野田葡萄酒は新しいスタートを切ったのです!!
その9年後である1998年には「夢郷葡萄研究所」を設立されたのです!
そして、2012年に夢郷葡萄研究所は奥野田葡萄酒醸造に統合されました。
奥野田葡萄酒の葡萄への想い
忘れず、根底にある理念は「ワイン造りは質の高い葡萄から」です。
基本を常に立ち返り、葡萄栽培そしてワイン造りをされています!
現在、約1.5ヘクタールの自社農園で栽培に取り組んでいる、奥野田葡萄酒。
栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネ、デラウェアになります。
デラウェアは棚栽培ですが、他の葡萄品種は垣根栽培で行なっています。
そして、垣根の両面に一日を通して均等に日が当たるよう、畝はすべて真南に向けているのです!
自然農法にこだわり、複雑な地層を有している圃場からは、毎年糖度の高い高品質な葡萄を収穫することができています。
高品質な葡萄のおかげで、素材の持つ味わいを生かしたワイン造りが可能になっています♪
葡萄畑到着っ!!
ワイナリーのそばにある葡萄畑に到着をした山梨ワインドットノム編集部。
そこで、奥野田葡萄酒の4つの葡萄畑のことに関して教えてもらいました♪
奥野田葡萄酒では、甲州市内に4つの圃場を運営しているとのこと!!
- 日灼圃場
- 桜沢圃場
- 長門原圃場
- 神田圃場
桜沢圃場
桜沢圃場は、奥野田ワイナリーの東側の急斜面にあります。
垣根の両面に1日を通して均等に日が当たるよう、畝はすべて真南に向けてあります。
そして、「桜沢圃場」は全体の広さが約30a、そのうちの約13aが垣根栽培になっています。
垣根栽培では、97年、98年植え付けのシャルドネが600株、そして残りの約17aでは棚栽培を行なっています。
棚栽培では、デラウェアを栽培しています。
長門原圃場
長門原圃場は、桜沢圃場から100mほどの場所にあります。
まるでスキー場のような急斜面にある最も新しい平垣根畑です。
この葡萄畑も、畝はすべて真南に向けてあります。
そして、約20aの広さを持つ長門原圃場には、2001年植え付けのシャルドネが1200株植えてあります。
一番最後に作ったこの畑には、今までの畑作りで培ったすべてのノウハウを投入しているとのこと…
そのため、今後が最も楽しみな圃場なのです!!
神田圃場
神田圃場は、勝沼を見下ろす標高450mほどの高台にあります。
広さは最も広く約45aになります。
神田圃場には、メルローが1200株、カベルネ・ソーヴィニヨンが400株植えてあります。
ワイナリーから最も遠い場所にありますが…
広大ですばらしいロケーションのため、訪れる人を感動させてくれる葡萄畑になっています!!
日灼圃場
唯一、平らな土地にあるのが日灼圃場とのこと…
日灼圃場には、広さ15aの畑に、1996年植え付けのカベルネ・ソーヴィニヨンが900株植えてあるのです!
そしてこの圃場も同様に、垣根の両面に1日を通して均等に日が当たるよう、畝はすべて真南に向けてあります。
そして、この葡萄畑は地名のとおり、非常に日当たりが良い場所にあるとのこと!!
そのため、高い熟度の葡萄を収穫することができるのです。
また、2008年からは収穫イベントやオーナー制度なども行われている葡萄畑でもあるのです。
今回、私たち山梨ワインドットノム編集部は、「日灼圃場」を案内してもらいました♪
「日灼」で「ひやけ」と読むのは難易度高いですよね〜!!ただ、漢字から非常に暑いイメージは伝わりますね笑
6月中旬で、完全に葡萄の姿とわかりますね♪
葡萄栽培では、質のいい葡萄を残し、質の悪い葡萄を切ってしまうことをよく耳にします。
これは、栄養管理が目的なのです。
というのも、栄養の全体量は決まっているため…質の悪い葡萄に栄養をいかないようにするということです!!
しかし、ここまで残った葡萄は基本的には切られずに収穫期を迎えるとのこと♪
少し奥に進むと…
「富士通GP2020ワインファーム」との表札が・・・
これはなにか…と聞くと…深い活動を耳にすることができました!!
奥野田VINEYARD CLUB
奥野田葡萄酒が、900株のカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培する自社圃場「日灼圃場」を舞台に行なっている活動です。
では一体どんな活動なのか…
葡萄の木を1年間所有するだけでなく、葡萄の生育ステージにあわせて必ず座講を受けていただきます。
そして、しっかりと葡萄栽培についての知識を深めていただいた後、
実際に畑での作業を一緒にするのが「奥野田VINEYARD CLUB」です。
具体的に、作業は年間5回〜、真冬の剪定から収穫までの1年間を通して栽培を学び、作業を行なってもらいます。
また作業日には、その時期最もお勧めしているテイスティングワインをご用意して、
セミナー形式のランチをする時間も設けているとのこと!!!
つまり、葡萄栽培とワインの両方の知識を深め、剪定から収穫まで圃場で経験できるクラブ活動なのです♪
- 「2月」 剪定作業
- 「3月」 誘引作業
- 「5月」 芽かき作業
- 「6月」 シャルドネ花カス取り
- 「7月」 笠紙掛け作業
- 「9月」 奥野田ヴィンヤードクラブカベルネ・ソーヴィニヨン収穫会
富士通GP2020ワインファーム
山梨県が進める「やまなし企業の農園づくり」制度を絡めて、
奥野田葡萄酒と富士通株式会社が協働協定を締結しているとのこと!!
具体的には…どんなことを??と思う人が多いと思います。
農地の有効利用を図りながら、社員の福利厚生や研修、地域貢献を目的としています。
そして、同時に地域の活性化や地域間交流を図る活動でもあるのです。
「やまなし企業の農園づくり」制度を通して、富士通の社員と農地の維持や地域社会への貢献について考え、
生物多様性保全を目標とした環境社会貢献活動の一環として、活動しているのです。
また、「やまなし企業の農園づくり」制度に参加する富士通の社員、そして、その家族が、農業体験を楽しみながら、
農業が自然の恩恵を受けて成り立っていること、農地の適切な管理が生物多様性保全に貢献すること、
こういった考えへの理解を深めることも目的としています。
つまり、ワイン畑での作業を通じて、圃場維持の難しさを学び環境問題について考えながら、
ワインについても楽しく学んでいただくプログラムなのです!!
工場へ移動開始っ!!
ワイナリーのそばにある葡萄畑から工場へ移動する山梨ワインドットノム編集部。
実は…ここに葡萄を持って来て…と思いきや、
違ったのです!!
普段は、こちらで作業をしているとのこと!!
なぜここに…除梗機があるのか…聞いて見ると、機械の故障が理由でした…
実は、去年の仕込み中に壊れてしまったとのこと………
近所の人も驚いてでてくるほどの音がして壊れてしまったらしいです…
(相当な音ですね…経験として聞きたいような、心臓に悪そうな…笑)
しかし、困ったことに仕込みが終わっていればよかったのですが。。。
まだ作業すべきものはかなり残っていたとのこと…
運が良く…業者さんが予備を持っていたため、難をしのぐことができたとのこと!!
この話を聞くと、かなり恐ろしいですよね。。。
ワインを造る機械は、値段は高く…そして、場所もとります・・・
非常時に備えて、何個も何個も機械を予備で持って置くのは難しいですよね…
改めて、ワイン造りのハードルの高さを感じた瞬間でした。
そして、扉を開けていただき…中に入るとそこは…「ワインセラー」になっていました!!
ワインセラーには、基本的に3~4万本のボトルワインとワイン小樽が熟成されているとのことです。
1年を通して約10~15度ほどの温度になっているため、ほとんど空調を使うことなく…
夏は涼しくそして、冬は暖かく空気を保つことができているのです♪
樽がないと思いきや…ふと後ろを見ると…「樽」がありました♪
そして、樽について教えてもらいました♪
樽も毎年毎年使っていると、樽の香りなどが弱ってきてしまったりすると…
樽の香りがあまりにもつかない…となったら、
売却をする!とのこと…
売却??編集長購入??と思いきや…個人売買ではありませんでした笑(さすがに…)
ワイナリーで使い終わった樽は、ウイスキーやシェリーなどでは利用価値はあるので、
そういった方面に売ることが多いとのこと♪
たしかに!!となりましたね笑
ただ、樽をリペアしたりもすると!!
フレンチオークは、想像している以上に高価なものですからね。。。
冬服のコートみたいなものですよね♪
質の良いものは、価格がそれなりにするからこそしっかりと長く使いたい!!
そして、ワインセラーの向かいにオシャレなエリアが♪
こちらは、「ガーデンテラス」とのこと!!
前述にある、奥野田ヴィンヤードクラブの活動や、季節ごとのイベントなどを実施するエリアになっています!!
さて、葡萄畑・工場から戻ってきた山梨ワインドットノム編集部。
最後に試飲をさせていただきます!
どこで試飲をするのだろうと思っていると…事務所の上に案内をされました!!
階段をあがり、2階…いや3階ほどの高さに…
景色はこちら♪
東京では見ることは絶対にできないですよね!!
そして、奥には…
なんともおしゃれな家が!!
話を聞くと、ここは「ゲストルーム」とのこと!!
この中で、ワインのテイスティングや販売が行われているのです。
案内されるがままに、中に入って見ると…
木の香りも感じられる「ログハウス」ですね♪
おしゃれな内装です!!
こんな別荘あったら、休日や夏休みがワクワクでたまらないですよね〜!!
試飲スタート!
今回は、このログハウスで4本のワインを試飲させていただきました!!
- 2018 ハナミズキ・ブラン
- 2017 桜沢シャルドネ
- 2017 奥野田ロッソ
- 2016 メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン
2018 ハナミズキ・ブラン
編集長コメント
酸味がキリッとしていてスッキリしているワインですね♪
冷やして夏に飲むと、美味しさが倍増する気がしますね!!
酸味に加えて、トロピカルのような甘味もほのかに感じますね。
果実感もしっかり残っている甲州ワインですね♪
奥野田葡萄酒ワイナリーコメント!
完熟甲州を除梗・破砕した後、すぐにプレスをせずに果汁に果皮を浸しました。
果皮には葡萄の個性が濃く含まれているので、ワインに葡萄の本来の個性を強く与えることができます!!
そのおかげで、甲州が持つ果実本来の味わいを最大限に引き出しています!!
そして、葡萄に付着している天然酵母で低温発酵を行いました。
澱には旨味成分が多く含まれていることもあるので、少しでも多くの旨味成分をワインに含ませるよう、
澱をかき混ぜました♪
これにより、豊かな香りを放ち、奥行きある味わいに仕上がっています!!
2017 桜沢シャルドネ
編集長コメント
シャルドネらしい甘く優しい香りが、しっかりと表現されていますね!!
口に入れた瞬間、樽の風味が広がってきますね。
その後、シャルドネの甘酸っぱい感じが広がってきます。
そして最後に、樽の感じで終わる…
樽好きにはたまらない1本な気がします!!
奥野田葡萄酒ワイナリーコメント!
自社農園のシャルドネを100%使用しています!!オーク樽で発酵、そして約半年間熟成をさせました。
柑橘系の香り、ハーブやミネラルの香り、そして樽のバニラ香が綺麗に溶け合い、複雑さを醸し出しています♪
酸味と甘みに、ほのかな苦味のバランスがとれた、白ワインに仕上がっています!!
2017 奥野田ロッソ
編集長コメント
温度が抜群にいいですね!!
赤ワインの試飲で、自分が「美味しく感じる、最適な温度で飲めてる!!」と感じたのは初めてかもしれないです…
強すぎない酸味、そしてマスカットベーリーAのほのかな果実味を感じますね。
そして、次第にタンニンも感じますね!!
余韻を長く楽しめる飲みごたえのある1本ですね♪
奥野田葡萄酒ワイナリーコメント!
マスカットベーリーAを中心にカベルネ・フランをブレンドして造りました♪
柔らかく軽やかな果実味と共に味わい深い奥行きを感じると思います。
プラムや生イチジク、を思わせる香り、
そして強すぎない酸味が果実感と上手くマッチしている赤ワインです♪
2016 メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン
編集長コメント
スパイシーさをすごく感じますね笑
香りから、このワインは重々しい感じが伝わってきます笑
飲む前に、ステーキを用意したいですね笑
味わいは香りからの予想通りでした。
樽の香りが広がり酸味をまろやかにしつつも、しっかりとしたタンニンを感じますね♪
もう少し樽の香りと樽の味わいがあったら個人的には嬉しいです笑
奥野田葡萄酒ワイナリーコメント!
自社農園で収穫したメルローを50%とカベルネ・ソーヴィニヨンを50%使っています。
そして約12ヶ月間、オーク樽での熟成をしています。
そのおかげで、スミレやカシス、根菜類などを思わせる深く豊かな香りが表現されていると思います♪
また、樽の香りが、タンニンと酸味とのバランスを調整し、長く余韻を楽しめる仕上がりになっています!!
初!祝???副編集長コメント!
そのため、ブドウジュースのレビューは副編集長担当になります!
ジュ・ド・レザン・メルロ
副編集長コメント
メルロー100%のブドウジュースは初めて飲みましたね!
葡萄の凝縮感を感じますね。
市販で売っているブドウジュースとは違い、非常に濃厚ですね♪
メルローを食べたことないですが、葡萄をかじっているんじゃないか、って感じですね笑
すごい贅沢をしている気がします笑
奥野田葡萄酒ワイナリーコメント!
自社のメルローを100%使っています♪あまりメルロー100%のブドウジュースは聞かないと思います!
房ごとに搾り上げているので、メルローがもつ本来の味わいが凝縮しているのが特徴的です♪
そうだ、奥野田葡萄酒へ行こう!
平成元年に新たな時代をスタートさせた「奥野田葡萄酒」。
そして、時代は「令和」。
平成時代に積み上げて来た奥野田葡萄の栽培技術・醸造技術が、平成以上に認知されてほしい!!
そう願いたくなる時間でした!!
奥野田葡萄酒は、葡萄にこだわっているため、非常に果実感豊かなワインを造っています。
その1本1本を畑、工場、ストーリーを聞きながら味わって見てください♪
今までと全く違うワインの世界が見えてきます!!
ぜひ、休日は奥野田葡萄酒へ♪
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特に…
山梨ワイン パーフェクトガイド2019
【必見】山梨ワイン完全ガイド!世界で認められている、山梨ワインとはどんなワイン!?これを読めば、山梨ワインがわかる。山梨ワインのことは、山梨ワインドットノムにお任せ!
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【困ったらドットノム!2019年最新版】山梨県のワイナリー完全マップ!山梨県のワイナリーを一挙紹介。山梨ワイン、山梨ワイナリーのことは山梨ワインドットノムにお任せ!
非常に参考になると思います♪
ぜひ、みなさんの山梨へ観光する際のお供に!!
関連情報
奥野田葡萄酒 基本情報
所在地: 〒404-0034 山梨県甲州市塩山牛奥2529-3
電話番号: Tel:0553-33-9988
営業時間: 10:00~12:00/13:00~17:00
HP: 公式ホームページ
地理的表示「山梨」生産基準
1 酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性に関する事項
(1)酒類の特性について
イ 官能的要素
山梨ワインは、甲州やマスカット・ベーリーAなどの山梨で古くから栽培されているぶどうや、ヨーロッパを原産とするヴィニフェラ種など、様々なぶどう品種について、山梨の自然環境に根付くよう品種改良や栽培方法等の工夫を行ってきたことにより、ぶどう本来の香りや味わいといった品種特性がよく顕れた、総じてやや穏やかな酸味を有するバランスの良いワインである。
その中でも甲州を原料としたワインは、口中で穏やかな味わいを感じることができ、またドライなワインはフルーティーな柑橘系の酸味を有する。
また、マスカット・ベーリーAを原料としたワインは、鮮やかな赤色の色調を有し、甘さを連想させる香りとタンニンによる穏やかな渋みを有する。
さらに、ヴィニフェラ種を原料とした白ワインは、やや穏やかな酸味とよく熟したヴィニフェラ種特有の果実の香りを有し、口に含むとボリューム感に富んでいる。ヴィニフェラ種を原料とした赤ワインは、しっかりとした色調を有し、タンニンによる十分な渋みとふくよかさのバランスが良い。
ロ 化学的要素
山梨ワインは、アルコール分、総亜硫酸値、揮発酸値及び総酸値が次の要件を満たすものをいい、発泡性を有するものも含む。
(イ) アルコール分は8.5%以上20.0%未満。ただし、補糖したものは上限値を15.0%未満とし、甘口のもの(残糖分が45g/L以上のものをいう。以下同じ。)は下限値を4.5%以上とする。
(ロ) 総亜硫酸値は250mg/L未満(甘口のものを除く。)。
(ハ) 揮発酸値は赤ワインで1.2g/L以下。白ワイン及びロゼワインで1.08 g/L以下。
(ニ) 総酸値は3.5g/L以上。
(2)酒類の特性が酒類の産地に主として帰せられることについて
イ 自然的要因
山梨県は、西側の県境を走る赤石山脈系の高山群と、南側の県境から北東に伸びる富士火山系の高山群に囲まれた山間地である。海洋の影響が少ないため、梅雨や台風の影響を受けにくく、盆地特有の気候として、日中は気温が上昇するが、朝夕は大きく気温が低下するため、1日の気温差が大きい。
この自然環境により、ぶどうの成育期においては、梅雨による多湿の影響が少なく、成熟期においても台風等による風害や日照不足を原因とする病害が発生しにくいため、ぶどうの栽培に適しており、ぶどうの着色や糖度などの品質全体に良い影響を与えている。ぶどう栽培地は、主として富士川の支流流域に沿って広がっている。多くのぶどう栽培地は、花崗岩及び安山岩の崩壊土から成る、土層が深く肥沃で排水も良好な緩傾斜にある。このような好条件を有するため、ぶどうは健全でよく熟し品種特性が良く維持されたバランスの良いワインとなる。
ロ 人的要因
山梨ワインの生産は、1870年頃から始まったといわれている。当時は、栽培されたぶどうのほとんどが生食用として消費されており、その余剰によりワインの生産が行われていた。ぶどうの栽培量が増加しても、ワインに加工し販売することができたため、農家は過剰生産を恐れずにぶどう栽培に取り組むことができ、ぶどう栽培技術の創意や改善が重ねられていった。これにあわせて、ワインの製造量も増加し、醸造技術も蓄積されていくなどの好循環が生まれ、地域の経済発展を担ってきた。
このようなワイン産業に対しては、明治時代より、政府や山梨県庁、市町村が法的整備や資金支援、品種改良に関する研究開発など様々な支援を行ってきた。現在は、県の機関として山梨県工業技術センターの中にワインセンターが設置されており、ぶどう栽培やワイン醸造の研究開発のみならず、山梨のワイン製造者に対する技術指導・支援を行っており、高品質な山梨ワインを生産する技術的基盤になっている。また、山梨大学には1947年に発酵研究所(現ワイン科学研究センター)が設置されるなど、更なる研究開発や人材育成に注力している。
日本のぶどう産地はヨーロッパのぶどう産地に比べれば降雨量が多く、山梨県もぶどうの栽培期間中に雨の影響を受けるが、山梨県のワイン事業者は、垣根栽培のぶどうに傘をかけたり、雨の跳ね返りを防ぐため垣根の高い位置でぶどうを育てるなど、様々な工夫により、品質の高いぶどう栽培を根付かせてきた。
山梨ワインは、魚介類の食事とワインを合わせた際に生臭みの原因となる物質を発生させる鉄分の量が海外で生産されるワインと比べ総じて少ない。これは、山梨県は海洋に面していない地域でありながら、寿司屋が多いなど魚介類の消費を好む傾向があり、このような地域の人々の嗜好に合うようワインの製造工程で工夫が重ねられた結果であるといえる。山梨ワインは和食等の魚介類を材料に用いた食事と相性が良く、山梨県の人々にとってワインが身近な酒類として定着してきた一つの要因といえる。
2 酒類の原料及び製法に関する事項
地理的表示「山梨」を使用するためには、次の事項を満たしている必要がある。
(1)原料
イ 果実に山梨県で収穫されたぶどう(次に掲げる品種に限る。)のみを用いたものであること。
甲州、マスカット・ベーリーA、ブラック・クイーン、ベーリー・アリカントA、デラウェア、交配品種(甲斐ノワール、甲斐ブラン、サンセミヨン、アルモノワール、ビジュノワール、モンドブリエ)、ヴィニフェラ種(シャルドネ、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ブラン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール、プティ・ヴェルドー、シュナン・ブラン、ピノ・グリ、ヴィオニエ、シェンブルガー、リースリング、ゲベルツトラミナー、ミュスカデ、サンソー、テンプラニーリョ、マルベック、タナ、アルバリーニョ、サンジョベーゼ、ネッビオーロ、バルベーラ、ピノ・ムニエ、ジンファンデル、ツバイゲルトレーベ、グルナッシュ、カルメネール、プティ・マンサン)
ロ 酒税法第3条第13号に規定する「果実酒」の原料を用いたものであること。ただし、同法第3条第13号ニに規定する香味料(以下単に「香味料」という。)は、ぶどうの果汁又はぶどうの濃縮果汁(いずれも山梨県で収穫されたぶどうのみを原料としたものに限る。)に限り用いることができる。
ハ 果汁糖度が、甲州種は14.0%以上、ヴィニフェラ種は18.0%以上、その他の品種は16.0%以上であるぶどうを用いること。ただし、ぶどう栽培期間の天候が不順であった場合には、当該ぶどう栽培期間を含む暦年内に収穫されたぶどうに限り、それぞれの必要果汁糖度を1.0%下げることができる。
なお、酒税法3条第13号ハに掲げる製造方法により製造するもののうち、他の容器に移し替えることなく移出することを予定した容器及び密閉できる容器等で発酵させることにより発泡性を有することとするものに用いるぶどうについては、甲州種は11.0%以上、ヴィニフェラ種は15.0%以上、その他の品種は13.0%以上であるぶどうを用いることができる。
ニ 原料として水及びアルコールを使用していないこと。ブランデー及びスピリッツについては、他の容器に移し替えることなく移出することを予定した容器で発酵させたものに、発酵後、当該容器にブランデー及びスピリッツを加える製法を行う場合に限り使用すること。
(2)製法
イ 酒税法第3条第13号に規定する「果実酒」の製造方法により、山梨県内において製造されたものであり、「果実酒等の製法品質表示基準(平成27年10月国税庁告示第18号)」第1項第3号に規定する「日本ワイン」であること。
ロ 酒税法第3条第13号ロ又はハに規定する製造方法により、糖類(酒税法3条第13号ハに掲げる糖類のうち、他の容器に移し替えることなく移出することを予定した容器及び密閉できる容器等で発酵させることにより発泡性を有することとするものに用いる糖類を除く。)を加える場合は、その加える糖類の重量が、果実に用いたぶどうの品種ごとに、それぞれ次の範囲内であること。
・ 甲州種 100ml当たり10g
・ ヴィニフェラ種85%以上 100ml当たり6g
・ その他の品種 100ml当たり8g
ハ ぶどうの収穫からワインの瓶詰を行うまでの補酸の総量が9g/L以下であること。
ニ 除酸剤については、総酸値を5g /L低減させるまで加えることができること。
ホ 製造工程上、貯蔵する場合は山梨県内で行うこと。
ヘ 山梨県内で、消費者に引き渡すことを予定した容器に詰めること。
3 酒類の特性を維持するための管理に関する事項
(1)地理的表示「山梨」を使用するためには、当該使用する酒類を酒類の製造場(酒税法(昭和28年法律第6号)第28条第6項又は第28条の3第4項の規定により酒類の製造免許を受けた製造場とみなされた場所を含む。)から移出(酒税法第28条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)するまでに、当該使用する酒類が「酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性に関する事項」及び「酒類の原料及び製法に関する事項」を満たしていることについて、次の団体(以下「管理機関」という。)により、当該管理機関が作成する業務実施要領に基づく確認を受ける必要がある。
管理機関の名称:地理的表示「山梨」管理委員会
住所:山梨県甲府市東光寺3-13-25地場産業センター2階
山梨県ワイン酒造組合内
電話番号:055-233-7306
ウェブサイトアドレス http://www.wine.or.jp
(2)管理機関は、業務実施要領に基づき、ぶどう栽培期間の天候が不順であったと認める場合には、直ちにその旨を公表する。
4 酒類の品目に関する事項
果実酒
別紙2 備考
酒類の地理的表示に関する表示基準(平成27年国税庁告示第19号)第10項第3号の規定により、第9項の規定を適用しないものとして公示する商標その他の表示については、以下の「商標その他の表示」のとおりです。
商標その他の表示
甲州市原産地呼称ワインの認証条例(平成20年甲州市条例第34号)の規定により行う認証の表示
(注)地理的表示「山梨」の指定をした日前から使用していた上記の「商標その他の表示」に限り、地理的表示「山梨」の指定後も、引き続き表示を認めるものです。
5 統一ロゴ
地理的表示「山梨」のラベル表記は、GI Yamanashi(GI=Geographical Indicationの略)を統一ロゴとする。
白ワイン用品種
甲州
甲州は、白葡萄ですが、果皮はやや紫がかったピンク色をしています。
また、甲州は果皮は厚めで、樹勢が強く、病気に強いです。
日本の気候とは相性が良く、あまり病気にならずに甲州を育てることができます。
糖度は上がりにくく、穏やかな味わいのワインになります。
味わいは穏やかなものもあれば、軽やかでスッキリとした味わいであるワインも多いです。
そして、後味に少し苦味・渋味が残るのが甲州の特徴です。
最近では、「シュール・リー製法」の甲州ワインが人気です。スッキリした辛口の甲州ワインです。
他にも樽で熟成した厚みのあるタイプや、早く収穫することで柑橘系の香りが強いタイプ、果皮と一緒に仕込み複雑さをだしたグリタイプ、などがあります。
シャルドネ
小さめの房と薄めの果皮の小粒の実が特徴です。世界各国で栽培されている葡萄品種の1つです。
元々葡萄品種としては個性が弱く、あまり特徴のないぶどうです。
そのため、栽培環境や醸造家の技術などがストレートに反映されやすいです。
スッキリとしたタイプのワインもあれば、コクのある飲みごたえ抜群のタイプまで、幅広く再現されています。
オリジナルな特徴は弱いですが、「果実感」「酸味」などの点では、非常に高いスペックを有しています。
セミヨン
大きめの房と粒が特徴です。また、安定した収量も魅力の1つです。
特徴的な香りがないこと、そして落ち着いた果実味、重圧感などもセミヨンの特徴です。
熟成能力が高い葡萄で、長ければ長いほどコクがある味わいを感じれます。
また、貴腐葡萄になると、世界最高峰の甘口ワインの原料になります。
赤ワイン用品種
マスカットベーリーA
房と粒は大きく、皮は薄めの葡萄品種です。
ワインの色調は薄くなりがちです。しかし、しっかりと熟成をさせれば色はでます。
イチゴキャンディーのような甘い香りがマスカットベーリーAの最大の特徴です。
新鮮な果実味と、鋭い酸味、軽いタンニンが特徴で、フルーティーなワインが造られます。
マスカットベーリーAの生い立ち
『日本のワインの父』と呼ばれる「川上善兵衛」。
川上は、フランスから帰国した土屋竜憲に葡萄の栽培技術を学び、岩の原葡萄園を開設。
そこで、気候風土に適した葡萄を求め品種改良に挑みました。
約1万310回の品種交雑をおこなった結果、優良22品種を世に産みました。
その中で最も有名な品種が『マスカット・ベーリーA』です。
今日において、マスカットベーリーAは、甲州と並び、山梨ワインを象徴する葡萄品種の1つです。
2013年にはOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種登録されました。
カベルネ・ソーヴィニヨン
小粒と分厚い皮と大きな種が特徴の葡萄です。
ワインにすると色が濃く、強い渋味を持ちます。そのため、骨格のある味わいに仕上がります。
世界中のどこで作っても品質の高いワインが生まれると言われています。
だから、世界で最も栽培されるワイン用葡萄として有名です。
カシスなどを思わせる果実味と、ミントのような清涼感のある香りがあります。
また、酸もタンニンも強めで、ガッチリとしたワインです。
メルロー
ミディアムサイズの粒と比較的大きめの房が特徴です。
早熟で糖度が上がりやすいため、果実味を強く感じやすいです。樹勢が強く、病気にも強いです。
さらに、産地をあまり選ばないため、世界中で人気がある葡萄品種です。
プラムやブラックチェリーなどの果実香が特徴です。
酸度は比較的弱く、果実感は強い、そしてやわらかなタンニンなどが特徴の葡萄品種です。
塩山エリア
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